芝生管理のカギは“土壌”にあり!

YUKI庭

芝生をきれいに保ちたいと思ったとき、つい「水やり」や「刈り込み」などの手入れ方法ばかりに目が行きがちです。しかし、芝生の健康を左右する一番の土台は❝土壌❞です。どれだけ丁寧に手入れをしても、土壌環境が悪ければ芝は上手く育ちません。今回はまさにそのことを実感するお庭にお邪魔しました。

YUKI庭 姫高麗芝 17㎡

先日、職場の先輩に「一度芝生を見てもらえないか?」と依頼され、見に行かせてもらいました。数年前に姫高麗芝を張り、その年は青々ときれいな芝生に育ったようですが、その後は年々元気がなくなっていったとのことです。

先輩の庭(YUKI庭)は姫高麗で約17㎡。南向きの庭ですが、東側に倉庫・南側に住宅があり、写真の上の方は日当たりが悪く芝生はほとんど生えていません。しかしウッドデッキの辺りからは日当たりは良好です。にもかかわらず芝生の密度は低く元気がありません。芝生に足を踏み入れた瞬間に「土壌が固い」と感じました。この間の管理内容を確認すると、芝刈りはよくされていたようですが、エアレーションは数年間で1~2回、肥料もやったことがないとのことでした。

土壌が芝生の生長に与える影響

芝生にとって、土壌は「住まい」であり、「栄養の源」でもあります。以下のような役割を果たします。

  • 水分の保持と排水:水はけが悪いと根腐れの原因に。逆に乾燥しすぎると枯れやすくなります。
  • 酸素供給:根が呼吸するために、適度な通気性が必要です。
  • 栄養分の供給:芝生の生長に必要なチッソ・リン・カリなどの栄養素を蓄えます。
  • 根の生長空間:根が深く張れることで、芝は強くなります。

良い芝生のための理想的な土壌は、「水はけが良く、かつ保水性もある」「栄養が豊富」「適度な柔らかさと通気性がある」というバランスの取れた状態です。

カルスNC-Rを用いた土壌改良

すでに芝生を張っている場合でも、エアレーション(穴あけ)や目土入れ、有機質肥料の活用により、少しづつですが土壌の改善は可能です。今回YUKI庭では、私がいつも土壌改良の際に使用しているカルスNC-Rを散布しました。

作業手順は以下の通りです。

  • エアレーション(コアリング・スパイキング)
  • ブレンドカルス散布(カルスNC-R:1kg、米ぬか:1.4kg、硫安:200g、目砂:15kg)
  • 埋め戻し
  • (散水)

今回のエアレーションはより効果のあるコアリングを行いました。コアリングには『バロネス タインエアレーター』を用いました。私が持っているローンパンチは『バロネス タインエアレーター』(下の写真右)と『キンボシ ローンパンチX』(下の写真左)の2つですが、『バロネス タインエアレーター』の方がより深く穴をあけることができます。一方『キンボシ ローンパンチX』は『バロネス タインエアレーター』に比べると穴は浅くなりますが、コアを回収しながら穴を開けることができるので効率的に作業ができます。またブレンドカルスを作る際、目土ではなく、排水性を重視して目砂を使いました。

エアレーション後(下の写真左)と埋め戻し後(下の写真右)

YUKIさんは「自分たちが管理しやすく、気持ち良い芝生になればと思っています。」とのことでしたので、月に1度程度芝生を見せていただいて、その都度管理方法を助言するということにしました。ですので、今回は作業について説明しながら、またYUKIさんにも手伝ってもらいました。この後に散水することと今まで肥料をやっていないとのことで、まずは肥料を購入して散布していただくようお伝えし、今月の作業は終了。約1時間でしたが、とても楽しい芝生作業になりました。

最後に:芝生の手入れは「土づくり」から始めよう

今年の3月30日にブレンドカルスを芝生の床土に使った芝生を張ったHIMAWARI庭は、すでの芝生が青々として根もしっかりと張っていました。

芝生管理の基本は、実は「見えない部分」である土壌環境の整備にあります。健康な土があってこそ、美しい芝が根付き、季節を通して青々とした景観を保てるのです。今ある芝生の状態がイマイチ…という方は、ぜひ一度「土」に目を向けてみてください。

今週の作業動画(60倍速)

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